コラム

弁理士の仕事に関する情報を発信していきます

JP他_クレーム・特許請求の範囲・マーカッシュ

2020.06.03
star特許

「a、b、cおよびdからなる群から選択された部村を・・・」というような形式を米国のマーカッシュさんが発案してクレームに表現したものがマーカッシュ形式という表現形式です。新しい表現形式を発案して、自らの名前がつけられるというのは何とも言えないクリエイティブなことですね。気を付けなければならないのは、「および」であって「または」ではないことです。日本語では、意識していないと、つい「または」と書いてしまいそうです。英語では、「~selected from A, B , C and D」、「one or more compounds selected from the group consisting  of A, B, C and D」、「a compound selected from the group consisting  of A, B, C ,  D and thereof」など種々の表現方法が可能です。

マーカッシュクレームは、化学発明を対象としたものですが、現在では化学発明以外の発明に対しても使用されています。
一方、択一的表現が認められないのは、その部分がその発明の特徴にかかわるところで、択一に選択することによリ、発明の作用、効果が変わってくるような場合といえます。このような場合、各部分ごとに別のクレームを起草せざるを得ません。この点に注意して、マーカッシュクレームを用いることが必要で、このことを意識してこの形式のクレームを作る必要があります。

脱線しますが、私も自分の名前が冠されるようなクレームをいつの日か作ってみたいと思います。例えば、Tamai’s Claimのような。

2020年6月3日 文責 玉井尚之

 

 

US_面接-インタビュー

2020.06.02
star特許

審査官との面接は、米国に限らず有効と思います。面接・インタビューによって審査官の心証を良い方向に仕向けることができるからです。心証を良くする効果は、発明内容の理解を促進することによって得られます。

多くの皆様は、米国の審査オフィスアクションで「なぜこんな引例を挙げるのか?」、「前にも説明しているのに理解してくれないのはなぜか?いじわる?」・・・と思われたことが多々あるのではないでしょうか?私もしかりです。しかし、最近、現地代理人に面接(電話インタビュー)をこまめにしてもらうことによって、そのような悩みから解放されました。

日本弁理士会の「Patent」2020年4月号に、米国における面接・インタビューに関する面白い記事が掲載されていました。米国弁理士・弁護士の山田有美さんの「アメリカの審査官インタビュー実務」という表題の投稿論文です。ポイントは以下の通りです。

✓審査官も十人十色、✓審査官の仕事のサイクル(9月末が年度末)も考慮しよう、✓審査官も人間だもの(追い詰めない、良い雰囲気づくりに心がける)、✓スーパバイザー同席が良い結果を生む場合もあれば悪い結果を生む場合もあることに気をつけよう

発明の理解が難しい複雑な案件ほど面接・インタビューは有効です。これからも大いに活用をしていきたいと思っています。

2020年6月2日

 

 

JP・EP_クレーム・請求の範囲・中間概念

2020.05.31
star特許

中間処理における補正を考慮して、上位概念で記載したクレームを実施例の下位概念で補正をする前に、その中間の概念で補正できるように明細書に記載しておくことが重要です。
例えば、「本発明で用いる酸としては、無機酸、有機酸のいずれでもよく、無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸等を使用でき、有機酸としてはギ酸、酢酸、安息香酸等を使用できる。」としておくと、拒絶の理由を回避するために、いきなり最下位の塩酸などの具体的酸に減縮する前に、「無機酸」または「有機酸」に減縮することによって、特許後の技術的範囲をできるだけ広くすることができます。

特に、EPでは、このケースにおける「無機酸」や「有機酸」が明細書に明確に記載されていなければ、「無機酸」や「有機酸」に補正することは、中間上位概念化という新規事項追加と判断されてしまいますので要注意です。

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