コラム

弁理士の仕事に関する情報を発信していきます

JP 拒絶理由に対応する補正案が複数あったとき

2020.09.02
star特許

例えば、拒絶理由が進歩性違反であり、その対応のために請求項1の補正が必要になる場合であって、補正案が複数あり、その複数の対応案が優劣付けがたく別の観点からの補正案であった場合、あなたならどうしますか?

私なら、それぞれの補正案を独立請求項として、例えば、新請求項1及び新請求項2として項立てをします。その理由は、特許査定の可能性の高い補正案を請求項1とし、他方の補正案を新請求項1の従属項とした場合、意に反して新請求項1が新たな拒絶理由をはらんでいると、新請求項2の特徴は、「設計事項」として拒絶となる可能性があるためです。

新規性・進歩性の拒絶理由を解消するための案が複数ある場合は、特許査定となるための確率を可能な限り上げておくことが肝要と考えます。

消極的構成要件について(US, EP, JP_消極・Negative)

2020.06.23
star特許

消極的構成要件とは、「~を含まないことを特徴とする」など、クレーム記載において「ない」ことを特徴とする記載形式です。例えば、従来、処理液にフッ化水素酸を含むのが通常であったものが、他の安全な成分を追加して危険なフッ化水素酸を含まないような発明を表現するときに使います。

この場合、出願人側としては、引例としてないものを記載した引例は発見しにくいため有利となりますが、このような消極的構成要件を含む特許を無効にしたい場合は、逆に難しくなります。

このような特許を無効にしたいときは、下記の米国の判例が参考になります。

Int’l Bus. Machs. Corp. v. Iancu, No. 2018-1065 (Fed. Cir. Apr. 1, 2019).

WAG Acquisition, LLC v. WebPower, Inc., No. 2018-1617 (Fed. Cir. Aug. 26, 2019).

そのポイントは以下の通りです。
• 先行例文献にNegative claim limitation が記載されていないことを示すだけでは、Negative claim limitationが先行例文献で開示されていたという証明にはならない。
• しかし、先行例文献によるNegative claim limitation の開示は、明記(expressly)されていなくてもよく、暗示(impliedly)するものだったり、本質的な(inherently)ものであってもいい。
• 先行例文献において、Negative claim limitation は任意のものであったり、不必要なものであるという開示や示唆があった場合、その先行例文献によってNegative claim limitation の開示が証明できる。
• Negative claim limitation は任意のものであったり、不必要なものであるという判断は、先行例文献の開示内容によって判断される。
• 必要ではないが、先行例文献においてNegative claim limitationは必然的もしくは本質的なものであることを特許権者が示せれば、Negative claim limitationが先行例文献で開示されていないという反論ができる。

本コラム記事は、https://openlegalcommunity.com/negative-claim-limitation-prior-art/を参考にしました。

以上

 

 

 

JP他_クレーム・特許請求の範囲・マーカッシュ

2020.06.03
star特許

「a、b、cおよびdからなる群から選択された部村を・・・」というような形式を米国のマーカッシュさんが発案してクレームに表現したものがマーカッシュ形式という表現形式です。新しい表現形式を発案して、自らの名前がつけられるというのは何とも言えないクリエイティブなことですね。気を付けなければならないのは、「および」であって「または」ではないことです。日本語では、意識していないと、つい「または」と書いてしまいそうです。英語では、「~selected from A, B , C and D」、「one or more compounds selected from the group consisting  of A, B, C and D」、「a compound selected from the group consisting  of A, B, C ,  D and thereof」など種々の表現方法が可能です。

マーカッシュクレームは、化学発明を対象としたものですが、現在では化学発明以外の発明に対しても使用されています。
一方、択一的表現が認められないのは、その部分がその発明の特徴にかかわるところで、択一に選択することによリ、発明の作用、効果が変わってくるような場合といえます。このような場合、各部分ごとに別のクレームを起草せざるを得ません。この点に注意して、マーカッシュクレームを用いることが必要で、このことを意識してこの形式のクレームを作る必要があります。

脱線しますが、私も自分の名前が冠されるようなクレームをいつの日か作ってみたいと思います。例えば、Tamai’s Claimのような。

2020年6月3日 文責 玉井尚之

 

 

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